ディベロッパー(売主)
マンション建設の発案者
ディベロッパー・・・ここにマンションを建設しようと最初に考えるのはこの組織です。
もちろん、発案したあとは計画して建設させるのですから、計画のなかではもっとも発言力がある組織です。簡単に言うと、お金を持っているのでえらい!ということになります。
このディベロッパーという組織。計算が大好きです。この土地にどれぐらいの規模のマンションを建設することが可能なのか=このマンションでどのくらい利益をあげることができるかということを考え、そこからマンションの建設計画は始まるのです。
この計算が終わってしまうと、ディベロッパーさんの仕事は一段落。マンションの設計をする設計事務所さんとの打ち合わせに入ります。
マンションの計画が決まってくると、販売計画に入ります。マンション完成までに全戸販売する!これが目標です。でなければ、銀行さんへの返済計画に影響してしまうからです。
マンションを計画したら、早く作って、早く全部売る。
これがディベロッパーのお仕事です。
ゼネコン
マンションを建設する組織体
ディベロッパーからの依頼や入札などにより、マンションの建設工事を一括して受注し、工事全体をとりまとめる建設業者。
1、まず、ディベロッパーがこの組織のお客さまであるということ。
2、そして、設計事務所の設計に基づいて、建設作業を進めるということ。
このことから考えると、3つの組織の中での立ち位置としては、もっとも下位であるということになる・・・。
しかし・・・。
実際では、ディベロッパーが建設を請け負ったゼネコンの子会社だったり、設計事務所がそのゼネコンの下請けだったりと、実はイチバンの権力者だったりするわけです。
昨今のマンション建設の不信には、この体質の影響が大なのです。
建物を監理する立場(ディベロッパー、設計事務所)のほうのチカラが低ければ、良い建物にはなりません。
さらに、難しいところが、ゼネコンは現場採算制をとっているということ。
各現場に“現場所長”という立場の方がいて、この“現場所長”の腕と器量によって現場は進行し運営されています。
現場がスムーズに進むのも、利益がでるのも、この“現場所長”の能力次第ということなのです。よって、仕上がりの良し悪しも、このお方にかかってくるわけです。
逆に言うと、ゼネコンの名前はあまり関係ないということ。
名の通ったゼネコンが建設したとパンフや広告に書いてあっても、現場は“現場所長”が握っているのです。
さらに逆を言えば、直接建設しているのが、そのマンションの建設を受注したゼネコンの丸投げのサブコンであっても“現場所長”がしっかりしていれば、すばらしい仕上がりのマンションが完成するわけなのです。
設計事務所
数字から形へ・・・
ディベロッパーの計算に基づいて、その計画地に適応するマンションを計画し具体的な建築物を設計立案する組織。
通常では、3つの組織のなかでは真ん中の地位にあります。
ただし、ディベロッパーの指示をそのままカタチにするような設計事務所ではよいマンションは建ちません。
建物としての性能(住み心地、安全性、地域性・・・など)を限られた予算内で最高のものに
する・・・これが設計事務所としての使命でしょう。
マンションを建設する前の段階で、ほぼそのマンションの良し悪しが決定してしまうのです。設計の能力が低かったり、ゼネコンやディベロッパーにものが言えなかったりする設計事務所が設計したマンションは、言わずもながというところです。
設計が完了して着工すると、設計監理という仕事が始まります。
いくら良い設計をしても、設計図通りに建設されなければ設計した意味がありません。ゼネコンに対して眼を光らせているのです。
建設中には、いろいろな検査や調査を実施し、忠実で正確な施工が行われているかをチェックし、ゼネコンからあがってくる疑問や不具合を精査して、その建物が建ちあがるまで責任をもって監理をするのです。
現場と設計事務所の緊張感がよい建物を完成させるのです。
3つの会社のバランス
・・・
ディベロッパー、ゼネコン、設計事務所。
この3つの会社(組織)については理解していただいたと思います。
問題は、この3組織のバランスなのです。
どこかが突出して強いと、よいマンションは建ちません。
3つの組織が密につながり連絡をとりあいながら、独立した存在でなければならないのです。
ディベロッパーが強いと、計算高いマンションが出来上がります。数字上は、その土地に対して最高のパフォーマンスをあげるでしょう。
しかし・・・住み心地やプライバシーの面などで問題のあるマンションになってしまう可能性があります。
ゼネコンが強いと、建築費優先の考えでコトが運んでゆきます。とにかく利益重視です。
設計図よりも仕様をおとしたり、最悪は手抜き工事が行われたりするケースもあります。
上記は設計事務所が対応することによって、防ぐことが出来ます。
では、設計事務所が強ければいいんではないか・・・となります。
たしかに、ある程度は設計事務所にチカラがあったほうがよいと思います。ただ、その設計事務所の能力が高ければです。そして、誠実でなければいけません。
そのマンションに住む人々のことを考えて設計監理業務をキッチリとこなす。こういう設計事務所が携わったマンションはいいマンションになるでしょう。
ただし逆を言えば、能力のない設計事務所がチカラを持つと、もっとも最悪なマンションになってしまうのです。
現在建設されているマンションのほとんどは上のふたつ(ディベロッパーかゼネコンが強い)です。ディベロッパーとゼネコンに資本的な関係があることもめずらしくありません。
だからといって、ほとんどがダメなマンションというわけでもありません。
しっかりとしたディベロッパーやゼネコンがプライドを持ってきちんとした仕事をしている物件も多々あるのです。
ただ、そこを見極めるのが案外難しいということなのです。
快マンションコンサルタント 所長 黒羽雄一
保有資格
- 二級建築士 登録番号21115号(神奈川県)
- インテリアコーディネーター 登録番号054355A
- 住宅性能評価士 録証番号18011042